ニーハオ!台北在住のブロガー&YouTuberの台北人/Taipeijinです。
士林夜市の中にある10年前に廃墟となった、ある「レトロなお屋敷」が、現在ではおしゃれでおいしいタイ料理のお店「Fashion Bangkok FB食尚曼谷」に変身!結婚式や音楽会のできるレストランへと変貌しました。
以前の住人である228号事件の被害者、郭琇琮氏にまつわるお話を書いてみたいと思います。
台北市士林区大東路54号にあるレトロなお屋敷は、百年前に士林の著名な家である郭家の先祖代々の家でした。
民国110年10月25日(2021年10月25日)には市の史跡に指定されました。
現在はタイ料理のレストランとして使用されています。 (台北文化局提供)

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台湾の観光やグルメなど、あなたの知らない台湾情報もあります。ぜひ最後までご覧ください。
Contents
士林夜市の中にあるタイ料理のお店

外観は士林夜市の中にある普通の小さな店舗に見えました。
間口は広いとは言えないのですが、奥は非日常の感じの建築物でした。
外観と奥は違う
一階は縦に長く、奥に長く広がっているようで2階と3階もあり,思いがけなく大きな建築物だということがわかりました。

なんとなく京都の建物を連想しました。

「Fashion Bangkok FB食尚曼谷」の1階の奥には中庭があり,ガーデンパーティーやガーデンウェディング,コンサートなどができる空間が広がっていました。

なんの先入観も下調べも無しに行ったので,びっくりしました。
こういう建築物は大好きです。
3階まであるお屋敷だった
Fashion Bangkok FB食尚曼谷の中を探索したいと思います。
一階から二階への途中の階段に不思議な形の窓がありました。
歴史を感じさせる古いアンティークの窓でした。
こういう窓は大好きです。

二階の吹き抜けから下を見たところ。
中庭になっているようです。

こちらは三階です。

歴史を感じるタイル
日本統治時代のモザイクタイルが残されていました。
タイルは他の場所にもありました。

タイ料理のセット
今回は3人のお友達と一緒に晩ご飯に行きました。
週末はランチの時間も営業されていますが、平日は夜のみの営業です。
平日の夜に行きました。
12月の雨降りの寒い日でした。
メニューはお店の人と相談しながら決めたのですが,2人分のセットにレモン魚を追加するということにしました。
2人のセットにはドリンクも2つ付いていますので,もう一つ追加でビールを頼みました。
[セットメニュー[両個人吃好浪漫NT:1199]
尚青木瓜沙拉/パパイヤサラダ
曼谷椒麻雞or 緑咖哩 (鶏肉か牛肉かどちらか)
曼谷打拋豬or鶏
空芯菜or高麗菜(キャベツ)
味付け三種類(蝦醬,辣炒,清炒)
月亮蝦餅
兩杯飲料 白飯
上のメニューが2人分のセットです。
その他に下記を追加しました。
清蒸檸檬魚 450元
大象啤酒 120元
お会計の際はサービス料が別に10%追加されます。
尚青木瓜沙拉/パパイヤサラダ
パパイヤサラダは下記に貼り付けたYouTubeでもご覧になれますが、たくさんの薬味をすり鉢で擦ってパパイヤと一緒に出されます。

セットドリンクはミルクティーにしました。
かなり量が多くて,おいしかったです。

大象啤酒/ぞうビール
タイの象印のビールをお友達が飲んでいました
お味の方はお友達に聞いたところ「普通のビールで、特別に味がタイ風とかはないです。
強いて言えば、台湾ビールと同じで軽めかな〜?」とのことでした。

月亮蝦餅
台湾のタイ料理屋には必ずと言っていいほどある、エビのすりみのおやきみたいなお料理です。
これは大好物でいつも頼んでしまいます。
こちらのも外側カリカリで中にはえびのすりみがいっぱい入っていておいしかったです。

曼谷打拋豬or鶏
唐辛子風味の辛い豚肉料理です。
普通は白ご飯と一緒に食べるのですが、えびせんべいがついてきました。
えびせんべいの上にのせて食べるとカリカリする食感とがよくマッチしていました。
辛さ少なめにしてもらっていましたが、かなり辛い方でした。

清蒸檸檬魚
レモン魚は味がほろほろと柔らかくておいしかったです。
酸味もほど良いと思いました。ずいぶん大きなお魚が来ました。

お料理全体
お料理は全体的に量も多めだったのでちょっと残る位でした。
どのお料理もおいしいと思いました。

Fashion Bangkok FB食尚曼谷レストランの場所の歴史と変遷
このレストランのかつての住人にまつわるお話を書いてみたいと思います。
台湾の228号事件にかかわるお話です.
1.この場所に以前の居住者である郭琇琮氏は、1918年11月28日、日本統治時代の台北士林の著名な家族として生まれました。
2.台北市士林区大東路54号は、百年前に士林の著名な家である郭家の先祖代々の家でした
3.民国110年10月25日(2021年10月25日)には市の古跡に指定されました。
4.現在はタイ料理のレストランとして使用されています。
簡単に書きましたが、これらのことについて下記に深掘りしていきたいと思います。
以前の住人である郭琇琮氏のお話

ここは日本統治時代の彰化銀行板橋支局長郭坤とその息子、当時台北の有名な外科医で社会運動の参加者であった郭徐成夫婦の家でした。
その子供の郭琇琮氏は、1918年11月28日、日本占領期の台北士林の著名な家族として生まれました。
お写真で見ると、とても聡明そうな方ですね。
(郭琇琮氏のお写真はネットからお借りしました。)
1941年、郭琇琮氏は台北帝国大学医学部に入学しました。
医学部在学中、郭琇琮氏は反日思想を持ちました。
1944年、学生スパイが反日組織への参加を密かに報告した為、郭琇琮氏は日本軍警察に逮捕されました。
彼は5年の刑を宣告されました。
幸いなことに、1945年8月に日本が戦争で敗戦後、彼らは卒業試験を受けて台湾の大学を修了することができました。
郭家は日本時代から士林媽祖廟慈諴宮の守護者であり、家族の回想録には、旧暦の中元/お盆のたびに、お米やお金を寄付していました。
郭琇琮は、父親の郭坤木の善行に影響を受け、医療のキャリアの中で、遠隔地の村にある先住民族の無料診療所に通いました。
彼はまた、妻の林志傑を台北の江山塔に連れて行き、売春婦の性感染症の治療の手助けをしました。
著名な家庭の出身でありながら、彼自身の社会的実践力で下層階級の人々のお世話をしました。
なかなかできないことをされる素晴らしい方だったんですね。
彼の人生の最後の数年間、郭琇琮は台北での「共産党」の組織運動に数回参加しました。
郭琇琮氏と228号事件
(郭琇琮氏のお写真はネットからお借りしました。)
1945年以降、台湾はインフレに直面し、国民党と共産党の間の内戦により、台湾の穀物が中国に出荷されました。
台湾の地元の食糧不足はますます深刻になっています。
台湾の農民と若者たちは次第に政府反発的になっていきました。
1947年台湾で白色テロが始まりました。
2月28日には台北に拡大し、台北ラジオ局の占領作戦でニュースを全局に広めたために国民党からの政治的圧力にさらされました。
(228号事件については下記のブログに詳細を書いています。)
2月28日の事件の後、彼は変化が良い方向に変化するものと信じていました。
郭琇琮氏は台湾の社会的および政治的問題を解決するために、共産党主催に加わり、「盗賊スパイ」となり、1950年4月に妻の林雪家と一緒に嘉義で逮捕されました。
同年11月27日、現在の西門町寶慶路の憲兵隊の建物に拘留され、郭琇琮氏は人生の最後の夜を迎えました。
そして翌朝(28日)に処刑のために馬場町に連れて行かれました。
*馬場町とは?
馬場町刑場の前身は日本統治時代の1909(明治42)年、旧日本陸軍が現在の万華地区に設けた「台北練兵場」。1922(大正11)年に周辺一帯が「馬場町」と命名され、1930年代に入ると拡張されて「台北南飛行場」となった。戦後は中華民国軍に接収され、1949年、隣接する新店渓に堤防を築く工事が竣工。堤防に遮られた河原が、いつしか白色テロで逮捕された政治犯らの処刑場となり、1954年まで銃殺刑が行われた。その後、白色テロの歴史を伝える丘や記念碑などを造成、整備した「馬場町記念公園」として2000年に一般開放され、毎年11月前後には追悼イベントも行われている。)*台湾情報 中央社フォーカス台湾出典
郭琇琮氏は最期の遺書を残しました。
「どうぞ父と母に伝えてください。私の遺体を焼いた後の灰を私が熱愛するこの土地にまいてください。
人々が空芯菜を育てるときのお役にたつでしょう。どうぞ勇敢に生きて下さい。」と。
その処刑の日は郭琇琮氏の11月28日、33歳の誕生日でした。
とても短い一生の中で、とてもたくさんのことをされた方でしたね。
228号記念館についてのブログは下記です。228号事件についても書いています。

郭琇琮氏の後の持主

郭琇琮氏の死後はしばらく空き家になり、お化け屋敷のように荒廃していました。
蔡氏という方が、約10年前に廃墟となったこの「お化け屋敷」を購入しました。
その後「Fashion Bangkok FB食尚曼谷」のオーナーシェフに2012年からお店として貸していました。
士林の不動産はとても高額です。夜市の賑やかなところにありました。
周りの建築物はとても高額で取引をされています。
蔡氏はこの廃墟を買って、都市計画のための取り壊しを待っていましたが、2021年に突然古跡指定の郵便を受け取りました。
とても驚かれたことと思います。
古跡指定になると住むのは大丈夫なのですが、不動産の売買ができなくなり、リノベーションにも制限が加えられます。
要するに自分の不動産でも自由に売買できなくなり、国家のものになったような感じになります。
高額な不動産でも売買できなくなってしまったので、彼はがっかりしましたが、それも運命としてみなすことにしました。彼の妻はかなり反対しましたが、どうしようもない。という感じでした。
蔡氏は社会のために何かを保存することができれば、それは人生にとって非常に重要なことであると考えたそうです。
その後の再利用方法として、レストランやイベント会場として、たくさんの人達に使用されています。
台北市士林區大東路54號の場所は2021年10月25日に古跡指定になりました。
歴史的に価値のある建築物のまとめ

なんの先入観もなく訪れたタイ料理のレストランでした。
おいしいタイ料理を楽しむだけでなく、ちょっと見えない歴史の扉をあけて、深掘りしてみました。
郭琇琮氏も生まれた時代が違ったら、また全く違う人生を歩まれたことと思います。
そのような方々のおかげで、今の台湾があることを忘れないようにしたいと思います。
これらのことを文章にして残すことが私の228号事件の犠牲者になった郭琇琮氏のささやかな供養になればと思います。
古跡としての建築物の美しさや歴史的価値、この場所での悲喜こもごもを思ったりしました。
現在では音楽会やイベント、結婚式にこの場所が多目的に使われているのも良いことですね!
これも何かのご縁だと思います。
まだ日本語で書かれたものはないので、ここに残しておきたいと思います。
(お写真はネットからお借りしました。)
Fashion Bangkok FB食尚曼谷
住所:111台北市士林區大東路54號
電話:+886228830013
月曜日 17時00分~23時00分 火曜日 17時00分~23時00分
水曜日 17時00分~23時00分 木曜日 17時00分~23時00分
金曜日 17時00分~0時00分
土曜日12時00分~15時00分 17時00分~0時00分
日曜日 12時00分~15時00分 17時00分~0時00分
#郭琇琮#FB食尚曼谷#士林夜市#タイ料理#台北#台湾#228
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[Taipeijinのごあいさつ]
台湾人と国際結婚をして、台北市在住20年を超えました。
台湾生活で経験したことやチャレンジしたことを書いて行きたいと思います。
台湾を自分で車を運転して旅行するのが大好きです。
また大人の遠足から投資、また台湾の獣道に至るまで、ちょっとディープな内容もあります。
台湾と日本の交流や友好のお役に立ちたいと願っています。
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台北人