ニーハオ!
Taipeijinです。
苗栗の賽夏族という原住民が住んでいる部落にある向天湖に出没。
向天湖は簡単に言えば台湾の中部南庄の山の上の湖です。
向天湖のエリアには原住民の賽夏族が住んでいるところで「賽夏族民俗文物館」がありますよ。
Contents
向天湖
向天湖には6年くらい前に一度来たことがあります。
苗栗の南庄から山道を30分間程車で登ります。
この日は濃霧で外の景色は真っ白!
霧がすごくて全く前が見えない状態になり、山の上に行くほど霧が濃くなるという、台無しなお天気でした。苦笑。


6年前に来た時のお写真を載せておきます。
夕方でしたので、ちょっと暗いのですがこんな感じです。静謐な湖です。

周囲を山に囲まれた静かな湖です。

賽夏族はこういう場所で生活しています。

賽夏族の分布は新竹と苗栗の県境の山の中です。
部落には組織があり、宗教行事が年間を通じて色々あるようです。
苗栗県、南庄の山の中の向天湖は標高738mだそうです。
昔は近くに原住民の鹿狩りの場所があったそうです。
賽夏族の狩人が鹿狩りの休憩にこの湖から天を仰ぎ見たそうです。
それで「向天湖」という名前になったんですね。
賽夏族/サイシャット族とは?

賽夏族という原住民の少数民族が、この辺りに住んでいます。
日本語ではサイシャット族です。
上の写真は昔のもので、サイシャット族は現在では普通にお洋服をきていますし中国語もお話されています。
サイシャット族は台湾先住民の一つ。
2000年に、サイシャット族の人口は5,311を数える。これは、台湾先住民の総人口の約1.3%であり、彼らは台湾で最も小さな先住民のグループの1つである。台湾の西部、新竹県と苗栗県の境界にまたがって居住している。彼らは、各々の方言によって、北と南に分けられている。
人数が少ないので、台湾の原住民文化の中でもっとも危機的な一群だそうです。
賽夏族には十八個の姓がありました。
賽夏族の姓は朱、胡、豆(趙)、夏、高、風(楓)、錢、潘、詹、解、章(樟)、絲、日、根、芎、獅、血、膜、等。などです。
その中で獅、血、膜の三つの姓は途絶えてしまいました。
原始的な伝統も消失してしまいました。
賽夏族の姓は祭典の時にそれぞれ違う役割がありました。
賽夏族民俗文物館

賽夏族民俗文物館は苗栗県南庄鄉東河村の向天湖部落にあります。
賽夏族/サイシャット族は独特の言語を保存し、伝統的な文化を大切に残している部落に住んでいます。
南庄の巴斯達隘/バスタアイという祭場の所在地にもなっています。
賽夏族民俗文化館は2004年8月に開館しました。
三階建ての建築物です。
一階には賽夏族の伝統工芸品の展示場があります。

二階には60席の視聴覚室があり、イベントや毎日3回以上のビデオ鑑賞ができます。
そのビデオを見れば、だいたいの賽夏族の文化特色について理解することができます。
賽夏族はみんなで農耕をしています。
男性は狩猟をし、女性は織物やカゴなどを編むのが得意です。
三階には賽夏族の名前の由来などの説があります。
定期的に賽夏族の方がガイドをしてくれる時もあります。
とても印象的な賽夏族の文化に触れることができます。
貝やパールで飾られた美しい帽子やアクセサリーの展示もありました。

2年に一度行なわれる巴斯達隘/バスタアイの祭典と併合して、さらなる向天湖部落と賽夏族文化生態園の充実を目指しています。
他にも祖霊祭や祈天祭、敵首祭、播種祭などのお祭りが行われています。
バスタアイ矮靈祭
巴斯達隘/バスタアイは俗称は矮靈祭とも言います。
二年に一度開催されます。
西暦の偶数の年に行われ、10年に一度は大祭があります。
時期は秋の収穫後の農曆十月中旬頃になります・
バスタアイ/矮靈祭についての子供向けの漫画のビデオを以前見たことがあります。
バスタアイ/矮靈祭とはサイシャット族が2年に一度開催する慰霊祭のことです。
以前は毎年バスタアイ/矮靈祭は行われていましたが、日本統治時代に政府からの干渉があり、2年に一度に変更になったそうです。
サイシャット族とタアイ族のお話
サイシャット族は一般的に背が高くて美男美女が多いです。
ある時からタアイ族という小人の一族が接近して来ました。
タアイは見た目は小さくて容姿もよくないのですが、魔術を使い、知能に優れていて農耕を教えたり道具の作り方をサイシャット族に教えました。
また踊りも得意でサイシャット族に教えていました。
次第にサイシャット族とタアイ族は交流を始めました。
タアイ族は色々なことを教える代わりに農作物を要求しました。
しかも良いものだけを持って行きました。
タアイ族はサイシャット族が1年間食べるのに足りる分だけを残して、没収していくようになりました。
日中はサイシャット族の男性は狩に出かけていて不在の時に、タアイ達はサイシャット族の女性に接近。
タアイ達はサイシャット族の女性達に手を出して良からぬことをして、サイシャット族の男性達を怒らせました。
サイシャット族は次第に不満を募らせましたが、タアイ族は魔術を使うのでサイシャット族は恐れて手を出せませんでした。
タアイ族には変な習慣がありました。
寝るときには下が崖の川沿いの横の大木の幹によじ登り、一族が集まり樹の枝の上で寝るのです。
それを知っていたサイシャット族の男性たちはタアイ族たちが寝る樹の下の大半をノコギリで切っておきました。
木の下の切った部分は泥や木の葉などで見えないように隠しておきました。
夜になりタアイ族が樹の上に集まり寝ようとすると、次第に重みで樹が倒れてタアイ一族は川の谷底に落ちて死んでしまいました。
それでも二人のタアイ族が生き残り、東の方に逃げました。
この二人のタアイが魔術を使い呪いをかけたため、その後サイシャット族の田畑には日照りや干ばつが続き凶作が続きました。
サイシャット族はタアイ族の祟りだと恐れ、慰霊祭をするようになりました。
それがバスタアイ(矮靈祭)です。儀式としては歌と踊りです。
また各姓を書いてある旗のようなオブジェも使います。
バスタアイ(矮靈祭)の際には交通規制があります。
賽夏族のお店でショッピング
賽夏族民俗文物館の周囲には色々な賽夏族のお店があります。
小米酒や山豬ソーセージ、穀物、スパイスなどの食料品や雑貨、アクセサリー、衣類などもあります。
一般的に台湾の原住民は小米酒が大好きですので、たくさん売られていました。



サイシャット族の手染めのスカーフはコットンでできています。
綺麗な色なので買ってみました。

馬告という原住民スパイス

馬告という原住民スパイスを買ってみました。
外観は粒コショウに似ていますね。
辛味はあまりなく、独特の香りがします。
原住民の部落にいくと、よく馬告のスパイス入りのソーセージが売られています。
お魚料理を蒸す時や、台湾料理によくあるお肉をお醤油で煮込む場合に馬告を入れたりします。
好き好きはあると思いますが、私は馬告の香りは結構気に入っています。
馬告は台湾各地の原住民料理にはよく使われています。
馬告さえあれば、家庭で原住民料理ができますよ。
台北では南京誠品のスーパーに売られています。
苗栗縣賽夏族民俗文物館
ウェブサイトはこちら
時間:火曜日から日曜日AM09:00-PM17:00
休館日:台湾の春節と大晦日、月曜日
入館料:30元(一般)
団体:20元(20人以上一般団体)
優待票:10元(本県県民)
無料:1.六歲未満の子供
2.心身障害者
3.六十五歲以上
4.低所得者証明者
5.本籍のある原住民
住所:苗栗縣南庄鄉東河村16鄰向天湖25號
向天湖への行き方
台北から車で約三時間半。
台湾鉄道で苗栗の竹南まで。(自強號で約1時間半)
その後「台湾好行バス」で南庄遊客中心まで。
南庄遊客中心から「台湾好行」バスで向天湖へ約30分。
秘境と言っても自力で行こうと思えば鉄道とバスでも行けそうですね。
まずは台北からですと、苗栗の竹南站まで行きます。
行き:臺鐵竹南站(東出口) >> 南庄遊客中心
1 臺鐵竹南站(東出口) 2 苗北藝文中心 3 尚順廣場(頭份國中) 4 苗栗客運(頭份總站) 5 頭份後花園(斗煥坪) 6 三灣 7 獅頭山古道口站 8 龍門口站(勸化堂) 9 桂竹林 10 南庄國中 11 南庄 12 南庄遊客中心
帰り:南庄遊客中心 >> 臺鐵竹南站(東出口)
1 南庄遊客中心 2 南庄 3 南庄國中 4 桂竹林 5 龍門口站(勸化堂) 6 獅頭山古道口站 7 三灣 8 頭份後花園(斗煥坪) 9 苗栗客運(頭份總站) 10 尚順廣場(頭份國中) 11 苗北藝文中心 12 臺鐵竹南站(東出口)
向天湖と原住民の賽夏族民俗文物館のまとめ
台湾の原住民の住む向天湖と賽夏族民俗文物館に訪れてみると、現在の私たちの日常とはかけ離れている感じを受けました。
台湾の原住民の極小民族文化を知ることは旅心をそそられる気がします。
お土産物屋さんの方も親切で、一生懸命日本語でお話をしてくださいました。
「ここに日本人も来ることがありますか?」
と聞いてみましたが、ほとんどないそうです。苦笑。
皆様も台湾の原住民の賽夏族を尋ねてみませんか?
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